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一次データの全数集計

JIIMA認証の取得費用

「JIIMA認証を取るのにいくらかかるのか」を調べると、費用は5つの認証区分それぞれのページに、別々に載っています。横断した表は基本規程PDFの第38条の中にしかなく、しかもWebページとは項目名が違います。
そこで5区分すべての公式ページと基本規程を突き合わせて、1つの表にしました。結果、区分によって新規審査手数料が30万円から50万円まで違い、JIIMA会員価格は2割引きでした。
5区分すべてを取ると、新規審査だけで200万円(税別)。実際に5区分そろえている事業者は2社だけです。

公開:2026-09-18読了:約9分料金の基準日:2026年4月1日改訂
先に免責
本記事は税務・法務の助言ではありません。金額はJIIMAの各認証制度の「認証を受ける方へ」のページに掲載されていた2026年4月1日改訂の内容を、2026年9月18日に取得して整理したものです。すべて税別表記です。料金は改訂されます。申請前に必ずJIIMAの公式ページで最新の金額と条件をご確認ください。
結論を先に(2026年4月1日改訂・すべて税別)
40万円新規審査手数料5区分中3区分。会員32万円
200万円5区分すべての新規審査会員160万円
125万円5区分すべての更新審査会員100万円
25区分そろえた事業者259社中(2026-08-21現在)

01費用はどこに書いてあるか

JIIMA認証は5つの区分に分かれていて、費用は区分ごとの「認証を受ける方へ」というページに書かれています。認証制度のトップページにも、規程の一覧ページにも金額の記載はありません。横断した料金表は、5つの費用ページすべての「規程類」からリンクされている基本規程(JIIMA-A036)第38条(申請費用)にあります。ただし第38条は5区分を3グループにまとめた形で、Webページとは項目名が違います(Webの「登録料」は第38条では「派生製品登録料」)。本記事はその両方を突き合わせて区分ごとに並べ直したものです。

そこで5ページを順に取得し(1ページ1リクエスト・3秒間隔・計5リクエスト)、「申請にかかる費用について」の節をそのまま書き出しました。5ページとも「2026年4月1日改訂」と記載されています。

02区分別の費用(全5区分)

JIIMA認証の申請費用(2026年4月1日改訂・税別)
認証区分新規審査手数料更新審査手数料派生製品
登録料
延長申請費用
電帳法スキャナ保存ソフト400,000円
会員 320,000円
250,000円
会員 200,000円
100,000円100,000円
電子帳簿ソフト
パターン1(会計パッケージ:帳簿作成・保存)
500,000円
会員 400,000円
300,000円
会員 240,000円
100,000円100,000円
電子帳簿ソフト
パターン2(帳簿保存のみ)
400,000円
会員 320,000円
250,000円
会員 200,000円
100,000円100,000円
電子取引ソフト400,000円
会員 320,000円
250,000円
会員 200,000円
100,000円100,000円
電子書類ソフト
パターン1・2・3共通
400,000円
会員 320,000円
250,000円
会員 200,000円
100,000円100,000円
デジタルシームレスソフト300,000円
会員 240,000円
200,000円
会員 160,000円
100,000円100,000円

会員価格はどの区分でも2割引きでした(新規審査・更新審査のみ。派生製品登録料と延長申請費用は、基本規程第38条で一般・会員とも10万円と同額です。Webページには会員価格の記載がなく、規程を見て初めて分かります)。金額が最も大きいのは電子帳簿ソフトのパターン1(会計パッケージ)で50万円、最も小さいのはデジタルシームレスソフトで30万円です。

このほかオプションとして、認証製品一覧ページから製品の公式ページへ直接リンクを張れる「外部リンク掲載サービス」が月額2,500円(会員2,000円・税別)で用意されています。5区分とも同額です。

035区分そろえるといくらか

単純に合計します。電子帳簿ソフトはパターン1(会計パッケージ)を選んだ場合です。

5区分すべての新規審査手数料(税別)
通常価格200万円
JIIMA会員価格160万円
内訳=スキャナ保存40万+電子帳簿(パターン1)50万+電子取引40万+電子書類40万+デジタルシームレス30万。電子帳簿をパターン2にすると190万円(会員152万円)です。登録料・延長申請費用は含みません。

そして更新審査手数料の合計は125万円(会員100万円)です(これもパターン1前提。パターン2なら120万円・会員96万円)。認証には有効期限があるので、取り続けるかぎり定期的に発生します。

ただし「同時申請なら20%引き」がFAQに書いてある
この200万円/160万円は各区分の金額を単純に足したものです。金額表のページには出てこない条件が、FAQページにありました(原文ママ)。

複数ソフトを同時に申請する場合に総額から20%の割引がございます。」「制度をまたぐ複数ソフトの申請は割引対象外です。(ただし、JIIMA会員の場合は対象です)— 電帳法スキャナ保存・電子帳簿のFAQ

会員価格と重ねられるのかも、FAQが答えています。「JIIMA会員の場合でかつ複数申請の場合、会員価格から割引適用される認識でよろしいでしょうか?」に対して「ご認識の通り、会員価格からさらに割引が適用されます。— 電子書類・電子取引・デジタルシームレスのFAQ

5区分をそろえることは「制度をまたぐ複数申請」に当たります。記載を素直に読むと、非会員は割引対象外で200万円のまま、JIIMA会員は会員価格160万円からさらに2割引きで128万円となります。

ただし同一製品で5区分を申請することが「複数ソフトの同時申請」として扱われるのかは、公開情報からは確認できませんでした。(電子書類ソフトのFAQには「同一製品で、複数のパターンの電子書類ソフト認証を同時に申請された場合は、割引の対象となります」とあり、同一制度内のパターン違いは対象だと分かりますが、制度をまたぐ場合の書き方はありません。)実額は申請時にJIIMAへご確認ください。
実際に5区分そろえている事業者は2社だけ
私たちが認証製品一覧を全件数えたところ、2026年8月21日現在で認証を持つ事業者は259社。そのうち5区分すべてを持つのは株式会社TKCとJFEシステムズ株式会社の2社だけで、142社(54.8%)は1区分しか持っていません。

1区分だけなら新規審査40万円前後です。この分布は費用の構造と整合的ですが、費用が理由でこうなっているかどうかまでは確認していません。

04更新と延長

費用のページには、更新について次の説明があります(原文ママ)。

JIIMA「認証を受ける方へ」より(原文)
※認証の有効期限が到来する電帳法対応製品において現状のまま有効期限を延長する場合は、延長申請をもって3年間の延長が可能です。尚、延長申請は1回のみ可能で、その3年後には更新審査をうけて頂くことが必須となります。

つまり選択肢は2つです。

延長申請
100,000円(税別)で3年間の延長。ただし1回だけで、その3年後には更新審査が必須
更新審査
200,000〜300,000円(税別・区分による)。会員価格は2割引き

05見落としやすい条件

金額表だけ見ていると見落とす条件(すべてJIIMA公式=費用ページ・FAQ・基本規程の記載)
条件内容影響
評価は2回まで「※新規審査手数料につきましては、評価2回を上限とします。3回目以降では更新審査手数料と同額を別途お支払いいただきます。」
表記は区分で3通りに分かれます。上は電子書類ソフト・デジタルシームレスの原文。電帳法スキャナ保存・電子取引は「※評価2回上限とします。3回目以降では更新審査手数料と同額をお支払いいただきます。」、電子帳簿は「※ パターン1、及びパターン2の新規審査手数料につきましては、…」です
3回目以降は区分に応じて20万〜30万円が別途
デジタルシームレスは単独で取れない「デジタルシームレスソフト認証を申請する際は、電子取引ソフト認証の取得が必要です」実際は30万+40万=70万円から
登録料は派生製品の費用Webページの注記は「※登録料はマニュアルが共通の派生製品について発生します。」。基本規程第38条の項目名も「派生製品登録料」です主製品に対応する登録料の項目は第38条に存在しません。1製品だけの申請なら発生しません(後述)
同時申請なら20%引き「複数ソフトを同時に申請する場合に総額から20%の割引がございます」「制度をまたぐ複数ソフトの申請は割引対象外です。(ただし、JIIMA会員の場合は対象です)」金額表のページには無く、FAQページにだけ記載。会員価格からさらに引かれる旨もFAQに明記(前述)
期間「現在、申請件数が非常に多く、評価機関が順次認証審査を行っております。これから新たに申請された場合はかなりの時間を要し、認証の申請から取得まで通常でも3ヶ月程度となっております」5区分中4つのページに同じ記載。デジタルシームレスソフトのページにはこの記載はありません

※デジタルシームレスの前提となる電子取引ソフト認証は「令和5年度認証(保存方式:CまたはD)が対象」とされ、同時申請も可能と書かれています。

06OSSがこの制度に乗りにくい理由

私たちがこれを調べているのは、オープンソースで電子帳簿保存法に対応できるかを確かめるためでした。費用の構造を見ると、理由の一つがはっきりします。

認証は「製品を提供する事業者」が申請して支払う仕組みです。1区分でも新規審査40万円前後、さらに有効期限ごとに更新審査20万〜30万円がかかります。無償で配布されているソフトウェアには、これを負担する主体がいません。実際、認証製品897件を確認した範囲ではオープンソースの製品は見当たりませんでした。

ただし認証が無いと違法、という意味ではありません。電子帳簿保存法とその施行規則にはJIIMAという語が一度も出てこないことを、条文で確認しています。

07自分の記事の誤りを直しました

費用を調べ直した結果、以前の記事の書き方が正確でないことが分かりました。

「初回は審査40万円+登録10万円=50万円」と書いていました
新規審査手数料40万円(税別)は公式の記載どおりです。問題は登録料10万円を、初回に必ずかかるものとして足していたことです。

公式ページの注記は「※登録料はマニュアルが共通の派生製品について発生します。」。さらに基本規程(JIIMA-A036)第38条を読むと、費用項目は「主製品新規審査手数料」「主製品更新審査手数料」「派生製品登録料」「延長申請手数料」の4つで、主製品に対応する登録料の項目がそもそも存在しません。延長申請手数料だけ「主製品及び派生製品共に1本あたりの金額」と注記して区別しているので、書き分けは意図的です。1製品だけを申請するなら、登録料10万円は発生しません。

該当記事は「新規審査40万円(税別)。登録料は派生製品について発生する」という書き方に直しました。
その訂正も、一度は詰めが甘いままでした
最初にこの誤りへ気づいたとき、私たちは「主製品に登録料がかかるかは公開情報からは読み取れない」と書きました。これも不正確でした。

読み取れなかったのではなく、読みに行っていなかっただけです。答えは費用ページ自身がリンクしている基本規程PDFの第38条にありました。Webページの一文だけを見て「不明」と結論していたことになります。

「不明」と書く前に、そのページがリンクしている一次資料を最後まで開く。——この記事で自分に課した手順です。

データ・出典

  1. 各認証制度の「認証を受ける方へ」ページの「申請にかかる費用について」(いずれも2026年4月1日改訂・2026-09-18取得):電帳法スキャナ保存ソフト電子帳簿ソフト電子取引ソフト電子書類ソフトデジタルシームレスソフト
  2. 電子帳簿保存法対応ソフト法的要件認証制度に関する基本規程(JIIMA-A036)(令和3年3月17日制定・令和8年4月1日最終改定・2026-09-18取得)の第38条(申請費用)と第3条(主製品・派生製品の定義)。5つの費用ページすべての「規程類」からリンクされています。令和8年4月1日の改定内容は同規程の改定履歴に「全ての認証制度の延長申請手数料を改定(第38条)」と記載があり、Webページの「2026年4月1日改訂」と一致します
  3. 各認証制度のFAQページ(2026-09-18取得):電帳法スキャナ保存電子帳簿電子取引電子書類デジタルシームレス。同時申請の20%割引は費用ページには無く、このFAQにだけ記載があります
  4. JIIMA「認証制度」(5区分の一覧)
  5. 事業者数・区分数の実数は、認証製品一覧5区分の全件集計(2026年8月21日現在・のべ897件)によります
  6. 取得方法:1ページ1リクエスト・3秒以上の間隔で、費用ページ5本・FAQ5本・規程PDF2本を取得。記事化の直前に主要な資料を取り直し、SHA-256が一致することを確認しています(基本規程PDFと3本のFAQで一致)。JIIMAのrobots.txt/wp-admin/ のみを Disallow としており、/certification/ は対象外であることを事前に確認しています
本記事は税務・法務に関する助言ではありません。金額はすべて税別で、2026年9月18日に取得した「2026年4月1日改訂」の記載に基づきます。料金・条件は改訂されます。合計額は公開されている各区分の金額を単純に足したもので、実際の見積りや個別の条件(同時申請、派生製品の扱い、再評価の回数など)によって変わり得ます。同一製品で5区分を申請した場合に「複数ソフトの同時申請」として20%割引の対象になるかどうかは、公開情報からは確認できませんでした。特定の事業者や製品、認証制度の優劣を評価するものではありません。申請前に必ずJIIMAの公式ページで最新の金額と条件をご確認ください。